12.『Alphonse Inoue Works: Esquisses & Etchings 1976 – 2021』

12.『Alphonse Inoue Works: Esquisses & Etchings 1976 – 2021』

12.『Alphonse Inoue Works: Esquisses & Etchings 1976 – 2021』

- アルフォンス イノウエ エスキース集 -

私は年に2、3回神戸にアルフォンス イノウエさんを訪ねるのを愉しみにしています。お会いしてお話をしたり食事をしたりして半日を過ごすのですが、いつも刺激を受けて帰路に就くのです。アルフォンスさんは自分が疑問に思っていることなどインターネットで検索し、新しい知識を入手されているばかりではなく、新しく買った本を次々と読んでおられます。それに反して私はいつもノホホンとした日常生活を送っているので、アルフォンスさんが話される内容がとても新鮮で刺激を受ける、というわけです。
2020年初めから、新型コロナが世界を席巻し、わが国でも緊急事態宣言が発令され、自由な外出が制限されていました。そのような中で、少し流行が収まったかに見えた2021年7月に私は久しぶりに神戸に行き、アルフォンスさんのアトリエを訪ねました。
このようなステイホームの状況の中アルフォンスさんは、銅版画や蔵書票制作のために描いていたエスキース(下絵)を整理されていました。「作品が完成した後に残ったエスキースのうち、乱雑に描いたエスキースは破棄したものが多く、残っていて丁寧に描いたエスキースは作品総数の裡、僅か5、60点余りでした。エッチングにするつもりで着手しなかったエスキースもかなり残っていました」ということです。
アトリエでその整理されたエスキースを拝見し、その美しさに大変感動したのは言うまでもありません。それらは銅版画として完成する前の作家のイマジネーションがその画面から溢れていました。私はそれらのエスキースと完成した作品を並べて見ることにより、エスキースから作品に至る作家の制作過程を想像することができるのではないかと思いました。そこでこれらのエスキースと作品を併置した画集の出版を、即座にアルフォンスさんに提案したところ、快く承諾していただきました。
これまでレイミア プレスでは、アルフォンスさんの画集として『夢の半周』(オリジナル版と印刷版)、『蔵書票集』、『作品集』の4冊を出版してまいりましたが、この『エスキース集』により、アルフォンスさんの創造の世界をさらに深く理解することが出来ると、大いに期待したところです。
今回の画集は、普段私たちが見る機会がほとんどないエスキースを中心とした内容になっていますので、無理とは思いましたがアルフォンスさんに、エスキースと同じような水彩画をA版(特装版)に綴じ込みたいので制作をお願いしたいと申し出ました。当初はかなり厳しいというお話しでしたが、「出来上がるまで何年でも待ちます」とお話ししたところ、何とか了承していただきました。
この出版を計画してから1年半が経った2023年1月、アルフォンスさんのアトリエを再び訪ねました。私がお願いしていた水彩画が完成していて、一枚一枚それを拝見していましたが、それらの水彩画の素晴らしいことに、恥ずかしながらアルフォンスさんの目の前で、私はつい……。それほど作品の美しさと質の高さに感動・感激してしまい、胸にこみあげるものが沸き上がってきたのです。これほどまでにアルフォンスさんはこの『エスキース集』出版に想いをこめておられたのだと深く感じ入ってしまいました。
その一方ならぬ想いとは、校正の段階で強く感じました。校正紙は印刷所からまずアルフォンスさんに送られ、校正後に私あてに届くことになっています。校正紙を見ると、アルフォンスさんの指示が細かく記されています。図版ページはアルフォンスさんが、その他文章や作品リスト、年譜などは私が校正することにしていました。校正は、初校、二校、三校と繰り返され、次第に修正箇所は少なくなってきますが、アルフォンスさんの校正は修正箇所の指摘だけではなく、新しく描かれたカットが該当するページに貼ってあったりと、微に入り細に入った内容となっています。四校、五校と進み、とうとう最終稿は六校までとなりました。校正に大変時間がかかりましたが、お蔭でとても納得のいく美しい本が出来上がりました。
今回も3種類の出版を計画しました。すなわち、A版(特装版)、B版(普及版)そしてC版(未綴じ版)です。それぞれの仕様は次の通りです。
A版(特装版)は、私がいつもルリユールをお願いしている atelier CORYLUSの羽田野麻吏さんに、今回も無理を承知でお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。以前羽田野さんにお願いした印刷版の『夢の半周』ルリユール本をアルフォンスさんにお見せしたところ、そのパーチメント装が大いに気に入ったご様子だったので、今回も総パーチメント装にすることを羽田野さんは提案されました。羽田野さんデザインによる表紙がパーチメントの山羊革を透して見えるように、革を薄く削る作業に大いに難儀されたようでした。しかしそのおかげでアルフォンスさんの頭文字「A」をあしらった素敵なデザイン画を薄くなった革を透してほんのりと見ることが出来ます。見返しにつかっているマーブル紙は、羽田野さんが愛知県岡崎市にあるマーブル紙作家の杉浦綾さんの工房を訪ねて、今回の特装版に相応しいマーブルを特注で染めてもらったものです。パターンは同じですが色調はピーコック系とローズ系の二種類(エディション番号が奇数と偶数)があります。本書は大型本となるために一度に22部の製本は厳しく、2年にわたって2回に分けて製本することとなり、予約の皆さんには長期間お待ちいただくこととなりました。その結果、これまでにない素晴らしい一冊が出来上がり、レイミア プレスではこれ以上の本はもう出せないのではないかと思った次第です。
そしてB版(普及版)とC版(未綴じ版)は恩田則保さんにお願いしました。恩田さんにはこれまでも製本と函造りは何度もお願いしていますが、相変わらず丁寧で堅牢な本造りとエッジのきいた函造りには頭が下がります。このような作業を当たり前のようにやっていく恩田さんは、やはり典型的な職人です。いつも感謝しています。

Photo

A版

B版

C版

A版仕様

  • 本文紙寸法:267×257×11mm
  • 製本仕様
    構造:足つき角背製本
    表紙:総パーチメント二重装(製本家によるデザイン表紙)
    使用する革:パーチメント(山羊)、水蛇
    金線箔押し:線と花型モチーフの構成
    文字箔押し:表紙に著者名と書名、オモテ表紙チリに製本家名、ウラ表紙チリに出版年
    見返し:シープスウェード(色調はピーコック系とローズ系)と特注染めマーブル紙
    函の形態:夫婦函
    保護箱:白段ボールにラベル付き
  • 綴込み作品:銅版画5点と鉛筆・ペン水彩画(画寸平均229×194mm)1点
  • 製本:atelier CORYLUS 羽田野麻吏
  • 箔押し:中村美奈子
  • マーブル紙:Bottega di Aya製 特注手染めマーブル紙
  • 翻訳:阪本政仁
  • 印刷:㈱中野コロタイプ
  • 発行部数:20部(他にEA2部)
  • 発行日:2024年1月29日
  • ISBN:978-4-909796-05-9 C0071
  • 頒布価格:440,000円(税込)

在庫状況

満席となりました

B版仕様

  • 本文紙寸法:267×257mm
  • 製本仕様:糸かがり綴じ 角背及び丸背紙装幀 函入り
  • 製本・製函:恩田則保
  • 翻訳・印刷:A版に同じ
  • 発行部数:丸背20部、角背140部
  • 発行日:2023年1月29日
  • ISBN:978-4-909796-06-6 C0071
  • 頒布価格:丸背45,100円(税込)、角背39,600円(税込)

在庫状況

発売中

C版仕様

  • 本文紙寸法:308×278mm
  • 製本仕様:未綴じ函入り
  • 製函:恩田則保
  • 翻訳・印刷:A版に同じ
  • 発行部数:20部
  • 発行日:2023年1月29日
  • ISBN:978-4-909796-07-3 C0071
  • 頒布価格:33,000円(税込)

在庫状況

発売中(残部僅少)

 11.林由紀子 作品集 『ペルセポネー 回帰する植物の時間』

 11.林由紀子 作品集 『ペルセポネー 回帰する植物の時間』

林由紀子 作品集

 11.『ペルセポネー 回帰する植物の時間』-

2020年は林由紀子さんの銅版画蔵書票集『プシュケの震える翅』を発行してからちょうど10年目という節目の年に当たります。そこでその後制作した蔵書票はもちろん、銅版画、鉛筆画、ペン画など林さんの全貌を知ることができる作品集を出そうと計画しました。出版計画書(案)を作って三島へ赴き、林さんに提出したのが2017年5月のことです。この時は、林さんだけでなくギャラリーCasablancaの勝呂希枝子さんも一緒に、いつものうなぎ店で昼食をとった後、林さんのアトリエに向かいました。
今回の作品集に掲載する作品を見せてもらったところ、作品貼り込み帖にある作品は、その全てに手彩色が施されていて大変驚きました。『プシュケの震える翅』収載の蔵書票にも、もちろん手彩色がされていましたが、まるで別の作品のように思えました。当初、『プシュケの震える翅』に掲載した蔵書票は省く予定でしたが、これらの手彩色を見たら、再度掲載したいという欲望に駆られました。林さんの愛好家も、これらの手彩色蔵書票を見たら喜ぶことは間違いないと確信し、すべての蔵書票を掲載することにしました。
これらのほか、貼り込み帖にある銅版画作品もほとんどが手彩色されていて、大変見ごたえがありました。ふとアトリエ内を見渡すと、林さんがイタリアで買ってきたスケッチ帖が目に入ったので何気なくページを開いてみると、そこにはたくさんの花々が色とりどりに描かれていて、とても美しいスケッチ集でした。これらのスケッチの花々は、林さんが作品を生み出す源泉ではないかと思われ、これもぜひ掲載したいと思いました。ただ、かなり大量だったので勝呂さんと一緒に1ページずつめくりながら掲載スケッチを選んでゆきました。
こうして掲載作品の一部は決まりましたが、個展やグループ展に出展した鉛筆画やペン画の記録や画像がほとんど残っていません。画廊を通して所蔵者を特定し掲載許可をもらいましたが、すべての作品の所蔵者を特定することはできないばかりか、中には画像はあるものの肝心の作品が行方不明というものもあり、結局全作品掲載は断念せざるを得ませんでした。ただ、林さんを通してお願いした伊豫田晃一さんと栁原翔さんから寄稿してもらうことができたのは僥倖でした。さらに林さんがこれまで各方面に書いた原稿の再掲載許可も全て得ることが出来、次第に内容が固まってきました。
掲載作品が決まった時点でページの割り振りを行ったところ、白紙のページや余白の広いページが出てきました。これらのページを埋めるために林さんに急遽挿画とカットを依頼しました。すると、あっと言う間に手彩色鉛筆画8点とペン画9点が送られてきました。いつものことですが、林さんの愛好家や版元に対する素早い対応は「職人」を自認するだけあってその潔さに感じ入りました。これらの作品を中扉や章扉等にレイアウトすると、本文の紙面が美しく映え、また本全体が引き締まってきました。
B版の表紙と見返しは新たに描いたペン画と鉛筆画で、どちらも良い出来映えです。林さんの好みで表紙は茶系の、見返しは青系の紙に印刷することにし、3種類の紙で試し刷りをし、決定しました。
さあ次は製本工程だという段階になって、表紙が本文内容とどうもしっくりこない感じがして仕方がありませんでした。ペン画の細かい線が見えてはいるのですが、どうしても表紙の茶系色に負けて鮮明に見えてこないのです。そこで林さんに表紙のペン画に手彩色してもらい、白系の紙に印刷し直してもらいました。送られてきた試し刷りの表紙を見ると断然こちらの方が素晴らしく、これに決定しました。手間暇が掛かりましたが、気になることをそのままにしてしまうわけにはいきません。お蔭で本文内容に良く合った、美しい表紙になったと自負しています。
B版の製本については、白系の色の表紙にしたことで汚れが目立つ恐れがあるため、保護ビニールをかけることにしました。また、本を収める函(スリップケース)については、縁の部分を、ひらの板紙が薄くなるようにヤスリ掛けをすることで、本を包み込む形になるよう仕上げてあります。そして天地の厚み部分も、丸背の形に沿うように縁部分を丸く型取ってあります。通常、この形にする際は、縁部分に革を貼って包むのですが、経費の関係で紙を使っています。革ならある程度伸びるので貼りやすいのですが、紙はまったく伸びないので、きれいに貼って仕上げるのが難しかったと、恩田さんが話していました。
こうして、本書には林さんが1997年から2019年までに制作した蔵書票(154点)、銅版画(71点)、鉛筆画・ペン画(32点)のほか、イタリア製の手漉きノートに描かれた植物画を全ページカラー印刷で掲載しています。本書の記事は和文、英文併記とし翻訳は蔵書票愛好家の阪本政仁さんにお願いしました。
B版の製本が終了し、いよいよA版(特装版)の製本に取り掛かることとなりました。今回の特装版は最近あまり見かける機会の無い装幀で提供しようと恩田さんと相談しました。林さんがマーブルが大好きなことを考えて、表紙はもとより見返しと三方(天、地、木口)すべてをマーブルでやってしまおう、という大胆な計画です。これを実行するには恩田さんの技術に期待するしかありません。恩田さんが帳簿製本の職人であることを考えると、きっとこの期待に応えてくれると確信していました。
A版を予約した方々には自分の好みのマーブルパターンを選定してもらうために、恩田さんに前もって14種のパターンを染めてもらいました。予約者は、表紙、見返し、三方のマーブルをその14種の中から選んでいただきました。この本には5点の手彩色銅版画ばかりではなく、27点の鉛筆水彩画の中から選んでいただいた1点の水彩画も一緒に綴じ込んであるので、まさにこの世に2冊と無いマイ オンリー ブックが出来上がりました。
マーブル紙造りのお話しを恩田さんにお聞きすると、素人ながら本当に大変な作業だったことがわかりました。暑い夏にはきりりと引き締まったマーブル模様が出来ないために、暑さを避けた秋以降の作業となります。それと予約者の皆さんの好みに応えようと、特装版25冊のために200枚上のマーブル紙を制作した、ということでした。感謝です。
印刷がすべて終了した後、本書未掲載の作品がたくさんあることが判明しました。このままでは版元として納得いきませんでしたので、銅版画、鉛筆画、水彩画、ペン画など68点を掲載した『補遺集』を作成しました。この『補遺集』は多くの方々のご協力によってやっと完成いたしました。
なお本書のB版は、日本書籍出版協会と日本印刷産業連合会が主催する第54回造本装幀コンクール(2021年6月審査)において、日本印刷産業連合会会長賞、印刷・製本特別賞を受賞し、表彰状と楯をいただきました。これはひとえに印刷を担当した中野コロタイプの布下創一郎さんを初めとしたその道のプロフェッショナルな方々と、製本を担当した堅牢な帳簿造り三代目職人の恩田則保さんの、この本にかける情熱としっかりとした技術力の賜物だと、版元としましては大いに感謝している次第です。これからも美しい本造りを進めてゆきたいと改めて思ったことでした。

Photo

A版

B版

C版

A版仕様

  • 大きさ:22.0×19.0cm
  • 装幀:平マーブル半革(コーネル)装幀、見返しマーブル紙、三方マーブル染、B版の表紙と見返し及び『補遺集』を綴じ込み、函入り
  • 背タイトル:箔押し
  • 綴じ込み作品:オリジナル手彩色新作銅版画5点、鉛筆画1点
  • 翻訳:阪本政仁
  • 印刷:中野コロタイプ
  • 製本・製函・箔押し・マーブル紙制作:恩田則保
  • 発行部数:限定25部
  • ISBN:978-4-909796-01-1 C0071
  • 頒布予定価格:196,000円(税込)
  • 頒布予定時期:2022年秋

在庫状況

完売しました

B版仕様

  • 大きさ:22.0×19.0cm
  • 装幀:丸背紙装幀、函入り
  • 本体背・函タイトル:箔押し
  • 翻訳・印刷:A版に同じ
  • 製本・製函・箔押し:恩田則保
  • 発行部数:限定250部
  • 発行日:2020年7月1日
  • ISBN:978-4-909796-02-8 C0071
  • 頒布価格:36,000円(税込)

在庫状況

発売中

C版仕様

  • 大きさ:26.0×21.5cm
  • 装幀:表紙で包まれた未綴じ本、見返し・『補遺集』付き、函入り
  • 表紙背・函タイトル:箔押し
  • 翻訳・印刷・製函・箔押し:B版に同じ
  • 発行部数:限定25部
  • ISBN:978-4-909796-03-5 C0071
  • 頒布予定価格:32,000円(税込)

在庫状況

発売中

10.『 Alphonse Inoue WORKS CATALOGUE RAISONNÉ 』

10.『 Alphonse Inoue WORKS CATALOGUE RAISONNÉ 』

10.『Alphonse Inoue WORKS CATALOGUE RAISONNÉ』

敬愛する3名の作家の蔵書票集を出版することが出来たので、いよいよ作品集の出版に取り掛かることにしました。まずはアルフォンス イノウエさんの作品集です。

アルフォンスさんがこれまで制作した銅版画、水彩画、鉛筆画、ペン画、年賀状など可能な限りすべてを収録した作品集にしたいと思いました。これはアルフォンスさんも全く同じ考えでしたので、二人とも大いにやる気が出てきました。

レイミア プレスがワイアートと共同出版した『夢の半周』印刷版をアルフォンスさんが見て、「この印刷は実にきれいに出来ている」と話されていたことを思い出したので、印刷は岡山の中野コロタイプを第一候補とすることにしました。そこでワイアートギャラリーオーナーの樋口佐代子さんに紹介してもらい、レイミア プレスでこれまで出版した書籍を持参して、岡山に中野コロタイプを訪ねました。そして私が掲げる3つのモットーについて説明し、私の本造りに関する考え、気持ち、購読者の望みなどとともに美しい本を出版したい旨を話したところ、充分理解してもらいましたので、心強い気持ちで帰宅しました。

印刷所は決まりましたが肝心の製本を誰に頼むかという大きな問題が残りました。今回はオリジナル銅版画7点を綴じ込むA版、1点を綴じ込むB版、普及版としてのC版、未綴じ版の4種を出版する計画です。

A版の製本は、『ユメノユモレスク』特装版をお願いしたfrgmの一員である羽田野麻吏さんに是が非でもお願いしようとアトリエを訪ねました。2017年11月のことです。今回は一人で30冊の製本を担当することになるために、羽田野さんからはすぐには返答をいただけませんでしたが、翌2018年4月に特注色の革や染め紙の制作スケジュールなど再度綿密な打ち合わせをしました。そして大変嬉しいことに、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催前に納品する、ということで引き受けてもらうことが出来ました。
羽田野さんからは進捗状況の報告をたびたびいただきました。製本に取り掛かる段階で少し問題になったのが、アルフォンスさんの版画紙です。版画は薄い雁皮紙に刷られ、それを厚手の版画紙に貼った状態で届いていますが、その版画紙が少し波打っているのです。1枚、2枚を綴じるのでしたらそのままの状態でも問題ないのですが、まとめて7枚綴じるとなると版画紙の波打ち状態が目立ってしまいます。そこで羽田野さんから「波打ちを解消したい」との連絡が入りました。美しく仕上げるにはやはり水張りしかなさそうです。200枚を超える手彩色入り版画の水張り作業にはかなりの手間が掛かりそうですが羽田野さんにお願いすることにしました。その結果、版画を全く損ねることなくきれいに波打ちが解消されていました。このような所にも羽田野さんの「美しい本を造りたい」という真摯な思いを強く感じました。

B版、C版、未綴じ版については、色々考えあぐねていた折に、東京製本倶楽部のワークショップが江東区大島の篠原紙工で開催され、私も参加しました。たまたま旧知の田中栞さんと谷口里香さんもいて、帰路田中さんから「今から帳簿製本の職人さんに会うけれど、一緒に行きませんか」と誘われました。以前、田中さんから、しっかりした帳簿製本の技法について話を聞き興味を持っていたので、2人に同行することにしました。そうして訪ねたのが恩田則保さんの製本所です。恩田さんは帳簿製本3代目職人ということで、自分を「職人」と呼んでいます。祖父から手ほどきを受けながら札幌へ修行に行き、現在は1人で製本を業としているとのことでしたが、その話は面白く、また実に真面目に取り組む骨のある職人だということが感じられました。手作業による丁寧で頑丈な本造りは大いに魅力的です。2018年9月のことです。
その後10月と11月に恩田製本所を訪問したほか、翌年3月には東京製本倶楽部主催のマーブル制作ワークショップが恩田さんを講師として企画されたので参加しました。通常、製本家はマーブル染めにまでは手を出そうとしませんが、こうした分野にまで新たに挑戦しようとする恩田さんの人となりをさらに深く知る貴重な機会となりました。そして次第に、今後の製本は恩田さんにお願いしたいという気持ちが強くなりました。愉しい本造りをするには誰と一緒にやるのが良いかと考えた結果、恩田さんと一緒にやろうと決心したのです。

これでやっとすべての版種の製本についての私の心配が解消しました。

次に解決しなければならないことは、英詩、仏詩の翻訳の著作権です。今回は原詩の他に訳詩も掲載しますので、翻訳者の許可を得る必要があります。この対象者は10名となります。著作権の保護期間は、わが国では著作者の没後50年となっています。没後50年を過ぎた人は2名ですから残り8名の方に連絡を取る必要があります。8名の著作権者もしくは著作権継承者について詳しく調べた結果、連絡が取れた方、既に鬼籍に入られている方、住所がわからない方などまちまちでした。著作権者や著作権継承者、日本文芸家協会などからおおむね掲載の許可を得ることが出来ましたが、2018年9月に始めたこの調査は、残念ながら4名の方々と連絡がつかないままで2019年1月、印刷終了直前に終わりました。ご協力いただいた関係者には大いに感謝いたしております。

作品集企画を本格的に進めるため、アルフォンスさんを神戸に訪ねたのは2018年7月12日のことです。アトリエには中野コロタイプの古市久志さんが来ていて、掲載する作品のチェックをしていました。アルフォンスさんと私は古市さんの車で作品を携えて岡山に行きました。印刷所では窓口の古市さんから画像監修の布下創一郎さんと本文入力・デザイン担当の坂井洋子さん、佐々木朋子さんを紹介されました。事前にアルフォンスさんと共に目次、作品レイアウト、作品リスト、活動年譜など内容をまとめていましたので、それらが入っているUSBを渡し、とにかく船出をすることができました。

それから数か月して初校刷りが届きました。作品のレイアウトはアルフォンスさんに任せて私はもっぱら和文と英文の文章チェックを行いました。前回の蔵書票集と同様、アルフォンスさんの色刷り、レイアウトへのこだわりは相当なものでした。アルフォンスさんから送られてきた修正入りの校正紙を見ると、大きな用紙に刷られた校正紙を自分で裁断し、本のように綴じた状態にして校正されていました。このように綴じるのはかなりの時間を要したはずですが、「本の状態にしなければ、レイアウトは思い通りにできない」というアルフォンスさんの強いこだわりが感じられました。この仮綴じ本には、『蔵書票カタログレゾネ』の時と同様に、それこそありとあらゆるページに細かい指示が書き込まれていました。このような校正刷りの遣り取りが何回も繰り返えされましたが、印刷所の担当者はかなり鍛えられるだろうなと思うほどでした。

今回の作品集では、アルフォンスさんの2人の友人に協力をお願いしました。ぜひ掲載したいと考えた書影の撮影をカメラマンの生田浩さんに、表紙デザインと日夏レイさんの詩集『シメール』掲載作品のデータ処理を花房秀行さんにお願いしました。

書影の撮影はアルフォンスさんの友人宅の広い居間を借りて、アルフォンスさんと私が持ち寄った書籍を1冊1冊生田さんがテーブルの上に乗せ、事前にアルフォンスさんが描いていたレイアウトに沿って配置しライティングを整え、撮影しました。デジタルカメラを使用したので、1冊の書籍を何回も撮影し合成して作成した画像もありました。今の撮影技術の進歩は私の想像をはるかに超えています。そうしてアルフォンスさんも満足する大変素敵な書影が完成したのでした。

表紙のデザインは花房さんにお願いしましたが、前作の蔵書票集の表紙と同様、アルフォンスさんの作品をコラージュしたデザインとなりました。これはアルフォンスさんの希望によるものでしたが、私も大いに賛成しました。

本書はアルフォンスさんがこれまでに制作した銅版画、水彩画、鉛筆画、ペン画、年賀状など235点の作品と書影をカラー印刷し、全作品のリストを掲載した英文併記のカタログ レゾネです。翻訳は林由紀子さんの『プシュケの震える翅』と同じ畏友井上清紘君とロンドン在住のM.R.氏にお願いしました。

今回の「カタログ レゾネ」には2つの特徴があります。
1つは、全ページにわたってアルフォンスさんが自らレイアウトしたことです。1ページ1ページ、作家の目が紙面の隅々にまで行きわたっています。もう1つは、アルフォンスさんが愛読するイギリスやフランスの詩や小説から湧いてきたインスピレーション、制作のきっかけとなった様々なエピソード、作品に対する強い思い入れなどが、作家自らの手で綴られていることです。つまり本書は、手に取った読者がアルフォンスさんの作品世界に直接触れることが出来る贅沢な1冊となっています。

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​A版

B版

C版

共通本文

A版 仕様

  • 大きさ:27.0×22.0cm
  • 製本仕様:綴じ付け製本、総革装、角革装(平マーブル)
  • アルフォンス イノウエによるオリジナル銅版画7点を綴じ込む
  • 製本:atelier CORYLUS 羽田野麻吏
  • 革:山羊革タンニン鞣し特注色
  • 表紙マーブル紙:ジェンマ ルイス
  • 見返し・スリップケース染め紙:佐々木久美子
  • 箔押し:中村美奈子
  • 翻訳:井上清紘、マレー ローゼン
  • 印刷:中野コロタイプ
  • 発行部数:限定30部
  • 発行日:2020年1月29日
  • ISBN:978-4-9906508-6-5 C0071
  • 頒布価格:302,500円(税込)

在庫状況

完売

未綴じ版 仕様

  • 大きさ:29.5×24.0cm
  • 製本仕様:未綴じ、函入り
  • 製函:恩田則保
  • 発行部数:限定30部
  • 発行日:2019年1月29日
  • ISBN:978-4-9906508-9-6 C0071
  • 頒布価格:33,000円(税込)

在庫状況

完売

B版 仕様

  • 大きさ:27.0×22.0cm
  • 製本仕様:糸かがり綴じ、丸背布平紙装幀本、函入り
  • アルフォンス イノウエによるオリジナル銅版画1点を綴じ込む
  • 製本・製函:恩田則保
  • 発行部数:B-1、B-2、B-3それぞれ限定30部
  • 発行日:2019年1月29日
  • ISBN:978-4-9906508-7-2 C0071
  • 頒布価格:63,250円(税込)

在庫状況

完売

C版 仕様

  • 大きさ:27.0×22.0cm
  • 製本仕様:糸かがり綴じ、角背平紙装幀本、函入り
  • 製本・製函:恩田則保
  • 発行部数:限定300部
  • 発行日:2019年1月29日
  • ISBN:978-4-9906508-8-9 C0071
  • 頒布価格:41,250円(税込)

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販売中

09.『夢野久作短篇集‐ユメノユモレスク』

09.『夢野久作短篇集‐ユメノユモレスク』

09.『夢野久作短篇集-ユメノユモレスク-』

銅版画家の宮島亜紀さんは大の夢野久作ファンで、以前から久作の本の出版に関わることを夢見ていました。久作没後80年の日が次第に近づいてきた2015年のある日、彼女はとうとう「久作の本を出す!」と決心しました。彼女が選んだ4つの短編に、自分を含めた4人の銅版画家に依頼して新たに挿画を描いてもらうという企画を立案し、福岡の出版社・書肆侃侃房に話を持ち込み、早速実行に移しました。宮島さんはアルフォンス イノウエさん、杉本一文さん、林由紀子さんをそれぞれアトリエに訪ねて本書の企画意図を説明し、挿画制作の依頼をしたところ、皆さんから快諾を得ることができました。林さんを三島に訪ねて歓談するうちに、林さんから「この本のタイトルは『ユメノユモレスク』ではどうかしら」と提案され、即座に書名も決まりました。

編集者は、書肆侃侃房社長の田島安江さん、沢田安史さん、宮島亜紀さん、佐々木孝さんの4名と末席に私が加わり、久作没後80年の2016年3月11日の出版を目指して進めることになりました。編集会議で皆が最も悩んだのが本文の表記方法です。若い読者にも読みやすい新字新仮名遣いにするか、あるいは原作が発表された当時と同じ旧字旧仮名遣いにするかです。激論の結果、旧漢字で歴史的仮名遣いの表記を採用することになりました。校訂担当の沢田さんが中心となり、私も協力して、現代表記の作品を旧字旧仮名遣いに変更したゲラのやり取りを数回繰り返し、何とか期日に間に合わせることができました。

普及版は2016年3月11日が発行日と決まって印刷・製本が順調に進み、ちょうど神戸で開催中のアルフォンスさんの展覧会場でお披露目販売することになりました。

特装版も、当初は普及版を発行したのと同じ書肆侃侃房が発行社となり、製本が水仁舎、レイミア プレスは協力という立場で、オリジナル銅版画を4点綴じ込んでB5判の限定30部を制作する構想でした。しかし2015年11月、宮島さんから相談があり、書肆侃侃房は編集担当として、そしてレイミア プレスが発行元になる形で特装版発行をして欲しいと依頼されました。これまで普及版発行に協力してきたことと、綴じ込みの版画を制作している4名の作家とは長い交流があることなどを踏まえ、承諾することとしました。

特装版は普及版とは仕様を全面的に改め、判型も本文用紙も変え、ページのマージン(余白)を広くとって旧字旧仮名遣いの組版を更に徹底しました。

特装版の製本について、水仁舎と何度も打ち合わせをしましたが、幾つかの問題がどうしても解決に至らず、水仁舎での製本を断念せざるを得ない状況になりました。途方に暮れた私の頭に浮かんだのは、以前から個人的にルリユールをお願いしていた羽田野麻吏さんのことでした。彼女は、Les fragments de Mという、3名の製本家と1名の箔押し師からなるルリユール制作ユニットのメンバーの1人です。羽田野さんに、他のメンバーとも検討してもらった結果、製本を引き受ける旨の返事をいただき、本当にホッとしました。

製本に1年という時間を要するために、予約者の皆さんには製本の途中経過をお知らせすることにしました。そのために羽田野さんのアトリエを3回訪問し、作業工程を写真付き解説書に仕上げて送ったところ大変好評でした。私も知らない製本工程が多くあり、大変勉強になりました。

そして当初の予定通りの期日に frgm の皆さんがそれぞれ製本した特装版を羽田野さんのアトリエに持ち寄り、 frgm 専用の保護函に納め、検品後に予約者の皆さんに送本し、特装版の発行が無事に完了しました。2017年3月のことです。
後日4名の作家、frgmのメンバー、出版関係者、特装版購入者総勢21名が東京に集まり、本書を囲んで懇親会を開き、大変愉しいひと時を過ごしました。

Photo

特装版仕様

  • 大きさ:B5判、25.7×18.2cm
  • 装幀:半革装幀(両袖装、コーネル装、額縁装)、平マーブル紙でスリップケース  入り
  • 綴じ込み作品:アルフォンス イノウエ、杉本一文、林由紀子、宮島亜紀のオリジナル版画
  • 本文表記:旧字歴史的仮名遣い
  • 校訂:沢田安史
  • 編集:田島安江、宮島亜紀、佐々木孝
  • DTP:黒木留実
  • 印刷:アロー印刷
  • 製本:Les fragments de M
  • 発行所:レイミア プレス
  • 発行部数:限定30部
  • 発行日:2016年3月11日
  • ISBN:978-4-9906508-5-8 C0093
  • 頒布価格:181,500円(税込)

在庫状況

完売

未綴じ版

  • 内容:特装版と同じ
  • 製函:恩田則保
  • オリジナル銅版画の付属は無し
  • 発行所:レイミア プレス
  • 頒布数:限定30部
  • 頒布価格:19,800円(税込)

在庫状況

在庫僅少

普及版

  • 大きさ:四六判、18.8×13.0cm
  • 装幀:丸背上製本、宮島亜紀装幀の表紙とカバー
  • 綴じ込み扉絵:アルフォンス イノウエ、杉本一文、林由紀子、宮島亜紀
  • 本文表記:旧字歴史的仮名遣い
  • 解説・校訂:沢田安史
  • 編集:田島安江、宮島亜紀
  • 編集協力:江副章之介、佐々木孝
  • 発行所:書肆侃侃房
  • DTP・印刷:特装版に同じ
  • 発行日:2016年3月11日
  • ISBN:978-4-86385-217-4 C0093
  • 頒布価格:4,180円(税込)

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発売中

08. “ ALPHONSE INOUE EX LIBRIS CATALOGUE RAISONNÉ ” – アルフォンス イノウエ 蔵書票 カタログ レゾネ –

08. “ ALPHONSE INOUE EX LIBRIS CATALOGUE RAISONNÉ ” – アルフォンス イノウエ 蔵書票 カタログ レゾネ –

08. 『ALPHONSE INOUE EX LIBRIS CATALOGUE RAISONNÉ』

– アルフォンス イノウエ 蔵書票 カタログ レゾネ –

本書の企画を開始した2013年当時、私はアルフォンスさんが制作した蔵書票の全貌を知りませんでした。アルフォンスさんの作品が大好きな私としては、その未知の世界を明らかにしたいという欲望が湧くのは当然のことです。神戸のアトリエを訪ねて、「蔵書票のカタログレゾネを出版したい」とお話ししたところ、即座に快諾していただきました。銅版画詩画集『夢の半周』オリジナル版の出版から5年が経っていました。

すべての蔵書票を見せてもらったところ、まだ見たことのない蔵書票が続々と出てきました。しかも票主が決まっていないものがたくさんあり、これは私ばかりかアルフォンスさんの蔵書票愛好家なら誰しもがワクワクしてしまうことです。このレゾネ本を手にした愛好家はこぞって蔵書票を注文するのではないかと思いました。

アルフォンスさんは蔵書票をファイリングしているだけでなく、作品番号、タイトル、票主名、サイズ、制作年などを記入したリストも揃えていました。これがアルフォンスさんの性格なのだと感心した次第です。

1974年から2013年までの40年間に制作された全216点の蔵書票を掲載するに当たり、アルフォンスさんは数点がエロティックであることから掲載を躊躇していました。蔵書票というものは極めて個人的な版画なので、世の中にはエロティック蔵書票がたくさんあります。特に海外の蔵書票にはハードなものをよく見かけることがあります。それに比べてアルフォンスさんの蔵書票はエロティックとはいってもそれほどハードではありません。しかし今回は、たとえエロティックな蔵書票であろうと、アルフォンスさんのイマジネーションから創造されたれっきとした作品です。従ってすべての蔵書票を掲載したいと伝えると、私の考えを受け入れてもらえました。

お借りした蔵書票を全て自宅のプリンターでスキャンし、水仁舎の北見俊一さんに渡してレイアウトしてもらいました。レイアウト作業が終了しプリントアウトしたゲラを私がまず校正し、その後アルフォンスさんに見てもらいました。作業はデジタルですから、細かい線や点の具合を観察し、画面に描かれている少女の顔のゴミの削除や切れている線の継ぎ足し、蔵書票の位置の修正など、多くの細かい指示がなされました。これは、きれいにレイアウトされ、美しく印刷されてこその作品集だという、アルフォンスさんの画家としてのこだわりだと思います。こうした作業を何度も地道に繰り返していくうちに、次第に美しいページに仕上がっていくのが目に見えて明らかになってくるのでした。

特装版に綴じ込むオリジナル蔵書票を、アルフォンスさんは当初50枚くらいにしたいと希望していました。たくさん綴じ込むのは愛好家にとっては有り難いことなのですが、それだけ価格が高くなってしまい、結局購入できない愛好家が出てくるのではないか、と危惧しました。何回か打ち合わせをした結果、最終的には20枚綴じ込むことに落ち着きました。この特装版は25部刊行の予定でしたが、いざ予約を募集したところ予想を超える申し込みがあって、急遽30部の発行となりました。

普及版の装幀仕様でアルフォンスさんと私の好みが異なっていたため、双方の好みを尊重して角背と丸背2種類の異装本を制作することになり、更には同じ色の布を充分に調達することが出来なかったために、丸背本は背布の色が白と灰の2種類になりました。

Photo

特装版

特装版綴込み版画

普及版

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特装版仕様

  • 大きさ:B5判変形、19.5×18cm
  • 装幀:半革コーネル装幀で、使用する革は黒系、濃紺系、臙脂系のカーフ。平はマーブル紙貼込み。マーブル紙貼込み函入り。背には作家名と書名を金箔押し
  • 綴じ込み作品:オリジナル蔵書票20点
  • 組版:中島悠子
  • レイアウト:北見俊一
  • 印刷:イニュニック
  • 製本:北見俊一
  • 発行部数:限定30部
  • 発行日:2014年7月3日
  • ISBN:978-4-9906508 3-4 C0071
  • 頒布価格:236,500円(税込)

普及版仕様

  • 大きさ:B5判変形、19.5cm×18cm
  • 装幀:丸背布継貼装と角背紙貼装の2種、本文糸かがり綴じ、表紙はアルフォンス イノウエ監修デザイン、函入り。背に書名の題箋貼りまたは箔押し
  • 表紙デザイン:猪口耕作
  • 組版・レイアウト・印刷・製本:特装版と同じ
  • 発行部数:丸背白布限定100部、丸背灰布限定100部、角背限定50部
  • 発行日:2014年7月3日
  • ISBN:978-4-9906508-4-1 C0071
  • 頒布価格:22,000円(税込)

在庫状況

完売