『本をめぐる話 』

Ⅵ-8~Ⅵ-12は東京製本倶楽部の機関誌に掲載された文章を、5冊の冊子にまとめて新たに発行され、会員に頒布されたものです。倶楽部としては、いずれ製本されることを前提としての発行だと思われますので、私もこの5冊をまとめて藤井敬子さんにルリユールをお願いしました。

この5冊はそれぞれの表紙に趣向が凝らされていて、見る者を大いに楽しませてくれます。例えば『本をめぐる話 革装本』は山羊革と仔牛革を使った総革装となっており、『本をめぐる話 四』はその内容の大半が櫛笥節男さん、吉野敏武さん、田中栞さんの「そうてい」に関する文章であることから、田中さんの「そうてい考」をプリントした手染め楮紙と手染め楮紙とを手織りした表紙となっています。この手織の表紙をじっと見ていると気が遠くなってくるほど、細かく丁寧に織られているのです。『本をめぐる話 一』の表紙にも楮紙の手織紙が使われているところをみると、楮紙の手織という藤井さんの好みの一部を垣間見た思いがします。

Ⅵ-8.『本をめぐる話 一』
原本書誌
・著者:栃折久美子、気谷誠、高宮利行、大家利夫、モリトー良子、堀越洋一郎、奥平禎男、柄澤齊、市川恵理
・装幀:渡辺和雄
・発行:東京製本倶楽部
・発行部数:250部
・出版年:2008年

ルリユール : 藤井敬子
・製本形態:綴じつけ製本
・綴じ:5本の麻紐支持体 麻糸綴じ
・表紙:水牛革と山羊革と仔牛革によるインレイ、オンレイモザイク 手染め楮紙刷木版の手織紙、金泥
・見返し:手漉き楮和紙に木版
・タイトル箔押し:近藤理恵(本金)
・サイズ:h216×w150mm
・ジャケット:ソフトジャケット マーメイド紙にインクジェットプリント
・函:スリップケース h222×w160mm
・制作年:2012年

Ⅵ-9.『本をめぐる話 二』
原本書誌
・著者:酒井道夫、山田俊幸、関根烝治、北山晴一、岩切信一郎、栗田玲子、川口晴美、寺崎百合子
・装幀:渡辺和雄
・発行:東京製本倶楽部
・発行部数:250部
・出版年:2009年

ルリユール : 藤井敬子
・製本形態:プラ ラポルテ製本
・綴じ:テープを支持体とした綴じ
・表紙:山羊革、仔牛革、楮、三椏和紙モザイク
・見返し:楮和紙にドローイング
・タイトル箔押し:近藤理恵(色箔)
・サイズ:h216×w157mm
・ジャケット:ソフトジャケット マーメイド紙にインクジェットプリント
・函:スリップケース h222×w161mm
・制作年:2012年

Ⅵ-10.『本をめぐる話 三』
原本書誌
・著者:雪嶋宏一、宮下志朗、宗村泉、阿部宣昭、宮嶋康彦、折田洋晴、降旗千賀子、アントワーヌ コロン、気谷誠
・装幀:渡辺和雄
・発行:東京製本倶楽部
・発行部数:250部
・出版年:2009年

ルリユール : 藤井敬子
・製本形態:プラ ラポルテ製本
・綴じ:テープを支持体とした綴じ
・表紙:水牛革、山羊革、仔牛革、手染め楮和紙にパターンプリント
・見返し:楮和紙にドローイング
・タイトル箔押し:近藤理恵(色箔)
・サイズ:h216×w157mm
・ジャケット:ソフトジャケット マーメイド紙にインクジェットプリント
・函:スリップケース h222×w161mm
・制作年:2012年

Ⅵ-11.『本をめぐる話 革装本』
原本書誌
・著者:気谷誠、岡本幸治
・装幀:渡辺和雄
・発行:東京製本倶楽部
・発行部数:250部
・出版年:2010年

ルリユール : 藤井敬子
・製本形態:ライブラリースタイル製本
・綴じ:テープを支持体とした綴じ
・表紙:山羊革、パーチメント、白なめし仔牛革インレイモザイク、仔牛革オンレイ
・見返し:オリジナルペーストペーパー
・タイトル箔押し:近藤理恵(本金)
・サイズ:h215×w155mm
・ジャケット:ソフトジャケット キャンソン紙にインクジェットプリント
・函:スリップケース h222×w161mm
・制作年:2012年

Ⅵ-12.『本をめぐる話 四』
原本書誌
・著者:櫛笥節男、吉野敏武、田中栞
・装幀:渡辺和雄
・発行:東京製本倶楽部
・発行部数:250部
・出版年:2011年

ルリユール : 藤井敬子
・製本形態:プラ ラポルテ製本
・綴じ:テープを支持体とした綴じ
・表紙:山羊革、仔牛革、手染め楮紙の手織紙、手染め楮紙インクジェットプリント(田中栞「そうてい考」よりプリント)
・見返し:楮和紙にドローイング
・タイトル箔押し:藤井敬子(表紙に藍色箔)
・サイズ:h215×w156mm×d15mm
・ジャケット:ソフトジャケット マーメイド紙にインクジェットプリント
・函:スリップケース h221×w160mm×d23mm
・制作年:2012年

Photo