『独 楽』

UNA TRITTORA

銅版画「星夜」「橄欖」などに魅せられて、北辻良央さんの作品に興味を持つようになりましたが、なかなか所蔵することが出来ませんでした。Gallery KURANUKIで開催された「北辻良央展」に寄せて発行された『独楽』の普及本と限定本を入手することが出来ましたが、どのようにして入手したのか、今となってはその記憶が定かではありません。普及本には北辻さんの3篇の詩「硝子の庭園」「炎」「回廊」と6つのオブジェの写真「硝子の庭園」「炎」「回廊」「独楽」「天使」「花束」が図版として掲載されており、特装本には同じく3篇の詩のほか詩と同じタイトルの3点のオリジナル写真が貼り込まれています。

私はこの二冊を合本してルリユールしてもらいました。ごく薄いブルーグレイの表紙の平には逆三角形のモザイクで「独楽」を表現し、表紙には欧文で、裏表紙には和文でタイトルが箔押しされていて大変瀟洒な感じを受けるほか、濃い青の革を用いた背によって、全体が引き締まったように感じます。この本の全体から感じる雰囲気にマッチした辻憲さんの2種類の蔵書票を貼っています。辻さんは詩人の辻征夫さんの弟で、これまでに6種類の銅版蔵書票を作ってもらっています。

原本仕様
・著者:北辻良央
・発行:Gallery KURANUKI
・製作:株式会社 光琳社
・写真:北辻良央撮影によるオリジナル写真3点(ゼラチン シルバー プリント)
・サイズ:h211×w147×d7mm
・発行部数:100部
・出版年:1995年

ルリユ―ル : 近藤理恵
・仕様:総革装
・製本形態:プラ ラポルテ
・綴じ:支持体に糸綴じ
・表紙:背は青バッファロー革、平は白カーフ革。
・デコール:平に独楽をイメージした逆三角形の革モザイク。
・見返し:ノド革、青ファブリアーノ紙
・はなぎれ:コワフ(背革に突起をつけたもの)
・箔押し:近藤理恵による平のモザイク上にタイトル箔押し
・サイズ:h214×w150×d15mm
・夫婦函:背革、外・内紙貼り h226×w163×d25mm
・制作年:2004年

Photo